天文会

『月刊「武侠通信」 新企画 「門派訪問〜天文会偏」』


桃蝶姫(以下:蝶姫)「扶桑のみなさんこんにちは。特派員の桃蝶姫です。今日は天文会の秘密のアジトにおじゃましてま〜す」
錦雲信(以下:雲信)「どうしてこの場所を知っているのですか・・・」
蝶姫 「是武羅武さんに、取材したいって言ったら教えてくれましたよ」
雲信 「・・・あなたが女でなければ殺しているところでしたよ」
蝶姫 「(なにげに怖いこといわれた!)」
雲信 「まあ、いいでしょう。そろそろ引き払おうと思っていたところです。ところで取材と言いましたか? いったい何の取材でしょう?」
蝶姫 「ええ、実はですね、各門派の特集記事を組むことになりまして、第一回は最強の門派である天文会でやらせてもらおうと。特に瑞覇様はコアなファン多いですから。日ごろから誤解されがちな天文会の裏話をここでばばっと!」
雲信 「そう言われましても」
蝶姫 「ちゃんと調べてきたんですよ、瑞覇様のこと。
本名、瑞雲。1285年生まれ、御齢55歳。生まれ故郷を朝廷軍に滅ぼされ、12歳のときにその復讐を果たす。14歳のときに剣聖派を破門となり、師父を倒す。15歳で「東龍海道の戦い」に参加したけれども負けちゃうんですよね。で、怪我をした瑞覇様を助けたのが樹上老人。趙飛雲と一緒に朱雀派を学ぶことになった。
ところが樹上老人「奥義 朱雀風花風琴掌」を弟弟子である趙飛雲に教えちゃう。見る目ないですよね。殺されてしまって当然です。このとき手に入れたのが「陰陽八卦法」。天文派奥義の元となったものだと言われている、と。
この後、剣聖派の武侠48人殺しとか、扶桑少林寺110人殺しとか、とにかく常勝無敗。23歳で江湖を引退。中原にて孤児を引き取って暮らす。けれどもこの間も中原に現れた武侠と戦いまくってるので、ホント安息なんてないですよね。
最悪なのは朝廷軍。また懲りずに「東龍海道の戦い」を始めちゃって瑞覇様がせっかく守り抜いた中原をメチャクチャにしちゃうし。結局、瑞覇様を怒らせて追っ払われちゃう。
子供たちを殺された瑞覇様は覇王を名乗り天文派を設立。武林統一のため扶桑に存在するすべての門派と戦いこれに勝つ。
二度の大東京決戦の末、因縁浅からぬ趙飛雲と引き分ける、と」
雲信 「よく調べてあるじゃないですか」
蝶姫 「大事なのはココからじゃないですか。覇洞にお隠れになってもう七年になるんですよ。そろそろお見えになってもいいころじゃないかなぁっと。で、ずばり、いつになるんでしょう?」
雲信 「さあ、私にもわかりませんよ」
蝶姫 「隠してないで教えてくださいよ、ねぇ、ねぇ」
雲信 「・・・そろそろ、あなたの相手も飽きました・・・(手を上げ構える)」
蝶姫 「えっ、女の人は殺さないはずじゃ・・・(タジタジ)」
雲信 「ええ、そういう誓いを立てています。ただしこのくらいはやらせていただきますよ」
蝶姫 「こ、これは、「天文八卦掌 風掌 緑龍風操掌」じゃないですかぁぁぁぁぁぁぁ(フェードアウト)」
雲信 「吹き飛ばされながら解説を忘れないとはいい内功の持ち主だったようですね」