未完である秋霖斎梅月の「扶桑武侠演戯」(以下「演戯」)のその後を描いた、様々な手による連作モノ。複数存在するがどれも人気は高い。
「演戯」の直接のエンディングを描くことを避け、5年後、10年後、100年後の扶桑を舞台に暴れ廻る若い武侠たちを描いたのがその勝因だと思われている(十数人によって書かれた「演戯」のエンディングは、どれをもって「正しいもの」にふさわしいか、未だに意見は分かれている。また「我こそ第二の秋霖斎梅月」と、扶桑を舞台としたものが無数に描かれたが、その方向はまさに千差万別。「扶桑」とつけば売れるという背景もあったため数え切れないほどの作品が乱立することとなったが「鬼導」シリーズの屋台骨を脅かすほどのものないとされる)。

  • 柴異土シリーズ

鬼導シリーズの最新作。舞台を未来の扶桑の外にある紫異土に移したもの。かなを多用し、少年たちの心の葛藤を全面に押し出したこの作品は幅広い世代に受け入れられ、続編である第二部「泥州」編が現在発刊中だ。



柴異土 泥州編 武侠紹介

  • 座府都

内功操作により生まれながら高い内力を持つ高泥子人(こうでいねと)の首都。柴異土統一を図るが長き戦争の輪に陥っている。
・鳥進飛(ちょう しんび):鬼導戦士。泥州編主人公。元は央部出身だが両親と妹を戦争によって失い、座府都軍へ。人呼んで「流転命運」。
・鷹月余(よう げつよ):女性の身でありながら最前線に立つ鬼導戦士。鳴鈴という妹が居る。人呼んで「没射娘」。
・晴龍怜(せい りゅうれい):鬼導戦士。進飛の良きパートナー。樽十蘭に傾倒する。人呼んで「伝説裏行」。
・樽十蘭(てい じゅうらん):座府都政府代表。高いカリスマを持つ。人呼んで「準赤彗星」。
・神部美愛(かんべ びえ):位楽春のニセモノ。人呼んで「揺巨踊」。

  • 大天使派

戦争の終結を願う武侠集団。人数こそ少ないモノのその戦闘力は計り知れない。
・和大輝(わ だいき):最強の高泥子人にて鬼導戦士。前戦争の立役者。人を傷つけることを好まない。人呼んで「打撃蚤」。
・更灰藍(こう はいらん):高泥子人の鬼導戦士。父親は座府都の代表であった。運命に翻弄され各軍を渡り歩く。人呼んで「双剣双盾」。
・位楽春(い がくしゅん):高泥子人の歌姫。和大輝の恋人。人の心を動かす術に長ける。人呼んで「誘詩惑唱」。

  • 露語州

紫異土の商都。戦争経済により影より歴史を操る。
・時鰤煎(じ しぜん):路語州代表。わかりやすい悪役。

  • 央部

永世中立都市(と名乗る)。裏が多すぎる上、日和見主義なので信用は薄い。
・東夏雁(とう かがん):現央部党首。鳥進飛とは双子。男運は悪目。人呼んで「迷皇女」。
・羅馬遊納(ろうま ゆうな):東夏雁の婚約者。人呼んで「決断弱子」。

  • 青地軍

内功をいじくる高泥子人を不自然なるモノとして否定する一派。央部と一時的に手を結ぶ。
・紅捨螺(こう しゅら):点穴と秘薬により力を与えられた鬼導戦士。鳥進飛と心の交流を持ったものの和大輝の手に係り死亡。人呼んで「化爪牙」。
・魯農九(ろ のうく):青地軍将軍。常に仮面をつけている。人呼んで「無裏不羅牙」。