ちょっとだけ露出の3

あなたがその”悪魔”を拾ったのは、そのこけた頬と乱れた髪に死に別れた兄の面影を見たからかもしれない。
ファルツハーツともUGNともかかわらないように生きてきたのに、このことで全てが不意になってしまうという怖さは不思議と感じなかった。いや、もしかしたら今のような、生きているか死んでいるか分からない状態を何とかしたかったのかも知れない。
今に思えば自分でも信じられない行動力であった。
傷ついた”悪魔”を背負い、自宅へ運び込み手当てを行う。
部屋を暖め、いつ起きてもいいように食事の準備をしておく。
思えば他人のために何かをすることなんて数年ぶりのことかもしれない。
まるで止まっていた時計が再び動き出したかのような不思議な感覚を覚えていた。
「・・・ここはどこですか?」
やがて目を覚ました”悪魔”はそうあなたに聞いてきた。
「そして私はだれですか?」