時間がない・・・

「私のひいじいさんはね、オド・モデのパトロンの1人だったんだよ。子供のころから芸術には興味をもっていたらしくてね、そっちの道を目指したんだけど、才能のほうはからきしだったらしい。そのかわり商才には長けててね。若くして財を築いた。人間金が有ると見るのは夢。なくてもみるけどね。金に物を言わせて新鋭の女流芸術家に子供を生ませた。まあ、妾って奴だね。その子を芸術家に育てようと金をつぎ込んだらしいんだが、どうやら父親の血を濃く引いてしまったらしい。まあ、結局自分の血筋を信じられずに他人にかけることにした。オド・モデの才能を見出したんだから見る目はあったんだろうね」
「そのひいじいいさんがオド・モデに依頼して作らせた作品があった。完成したのが例のあの年・・・。そう、ゲートが閉じたおかげで作品は文字通り闇に葬り去られた。ところが違ったらしい、ゲートは閉じられたがその星域は独立して生き残ってた。いまさらそれがどうしたとも思うんだけどね、その作品の所有権は一族のものだって騒ぎ出す奴がいてね。その入手を押し付けられてしまったというわけだ」
 旧世紀の感覚芸術家オド・モデ。100年たった今でさえその名は人々の記憶にすみに深く根付いている。実際作品を見たことはなくても歴史や科学の本をめくればのっているからだ。生涯残した作品数は不明であるがその稀少性と付加価値から贋作は数多にあるが、その天才ともいえる仕事に欠片ほど近づいたものは少なく、贋作者泣かせの異名もある。君のところに仕事が廻されたということは欠片ほどにしろ本物に近いということだ。


どんなシナリオ創る気だ、俺様?